雑ブログは儲からない理由と対策

この記事では、長年の経験から「雑ブログは儲からない」という現実と、その理由、対策について書いています。実体験をもとに、雑ブログと特化ブログの運営の違いと、今後ブログを運営していく上での戦略を考えました。
雑ブログは儲からない理由
この記事でテーマとして取り上げる「雑多ブログ」「特化型ブログ」についてです。
- 雑多ブログ:雑ブログとも言う。たくさんのジャンルの記事が書かれたブログのこと。
- 特化型ブログ:特化ブログとも言う。1つのジャンルに絞った記事のみ書かれたブログのこと。
ブログを始めるとき、「何でも書ける雑ブログ」と「特定のテーマに絞ったブログ」、どちらを選ぶべきか迷いますよね。ここでは、なぜ特定のテーマを持つブログの方が長期的に見て成果が出やすいのか、その理由を解説していきます。
人が好むのは、特化ブログ
AIで作成した2つの店舗です。あなたならどちらを選んで入店しますか?
- 左の店舗:八百屋で、野菜のみ販売しており、品ぞろえは抜群
- 右の店舗:食材、衣類、工具、自転車、電化製品と何でも販売しているが、品ぞろえはどれもイマイチ

ほとんどの方が、利用するなら八百屋と答えるはずです。野菜が欲しい時に、「この店舗(八百屋)に行けば、欲しい野菜が手に入る。」と思うはずですよね。右の店舗は、何でも売っているようですが、どの商品も品揃えが豊富ではないため、欲しい物が手に入らないかもしれません。
右の店舗で扱っているような商品は、専門店へ行けば、だいたい揃っています。よって右の店舗を利用する方は少ないはずです。ブログも同じで、特化型のブログへ行けば欲しい情報はだいたい入手することができます。専門サイトなので記事の質も満足です。
上の写真の右の店舗を利用する人がいるとすれば以下のようなケースです。
- 住まいが地方のため、近所に専門店が無いので、仕方なくお店を利用する。
- 店員さんが、ものすごく好みなので、つい利用してしまう。
しかし、ブログは地方も都会も関係ありません。また情報を求めて来る人にとって、ブログの運営者がどのような人なのか興味ありません。ブログは情報を提供する場所であり、運営者の好き嫌いで訪問者が増えることはありません。
特化ブログのメリット、デメリット
特化ブログでは、読者が求めているジャンルの情報を沢山扱うため、検索エンジンの評価もあがり、アクセスしてもらいやすくなります。またブログのジャンルが専門化していることで、これが読者の興味を引き、再訪の動機にもなります。
また、特化ブログは読者との信頼関係を築きやすいです。一貫したテーマで情報を発信し続けることで、「この分野の専門家」として認識され、フォロワーや企業からの信頼を得やすくなります。これは、長期的に見て収益やビジネスチャンスに直結します。
企業からの評価を得られると、交渉次第で被リンクを貰える場合があります。大手のサイトから被リンクを受けることは、それなりの評価を受けることと同じであり、SEOとしては非常に効果があります。
さらには記事のゴールを設定しやすいことがあります。ここで言うゴールとは、ターゲットに対し、最終的に何を買ってもらいたいのか、どんなサービスを利用してもらいたいのか、目標設定しやすくなります。
結局のところ、ブログを通じて何を達成したいかによって選択は変わりますが、特定の目標に向かって効率よく進みたい場合は、特化ブログの道を選ぶのが賢明です。
特化ブログのデメリットをあげるとすると、情報が専門的になることから、執筆が非常に大変であることと、ジャンルの範囲が限定的なためネタが尽きやすいことです。
雑ブログのメリット・デメリット
一方で、雑ブログは色々な話題が混在しているため、特定のターゲットを掴みにくく、検索エンジンでも埋もれがちです。たとえ内容が良くても、見つけてもらえなければ価値を伝えることはできません。
雑ブログに、「焼きそばの作り方」という記事を書いても、検索結果の上位には料理サイトの記事が並びます。雑ブログ(ノンジャンル)なので、料理の専門的なブログではないということで、記事の評価が低くなります。
少し前までは、サイトのジャンルという点は、検索結果の順位決めではあまりウェイトを占めていませんでした。最近は、特化しているサイトを優先的に上位に表示することが、グーグルの公式でも発表されています。
また雑ブログでは、被リンクを貰いにくくなっています。例えば、「焼きそばの美味しい作り方」の記事があるので、他の料理の特化ブログから、リンクの交渉をしても断られてしまいます。
相互リンクの話になりますが、特化ブログからの被リンクは、検索エンジンの評価としてはかなりポイントが高いです。雑ブログからの被リンクは、SEO的にはあまり効果が無いので、相互リンクを交渉する時にやや不利になってしまいます。
雑ブログで少しでも評価をアップさせる方法としては、記事の品質や情報量です。更に言えば、大手の特化型サイトではできないようなことをするのも戦略のひとつです。例えば、記事をおもしろおかしく伝えることができるライティングのプロであったり、ブログ内で面白い企画を行いインパクトを与えるなど工夫が必要です。
雑ブログは、いろんな記事を書けるのでネタが尽きることはありません。旅行、趣味、仕事、恋愛など、様々な記事を書くことができます。雑ブログで成功されている方は、時々見かけますが記事の量が、1000とか2000記事という、個人の域を超えています。それなので、普通の人が雑ブログで稼ぐのは難しいのです。
私の実体験「雑ブログ、特化ブログをそれぞれ運営してみて」
15年以上Wordpressで雑ブログと特化ブログを運営してきた経験から、それぞれの違いは明らかです。
最初は、いろいろな話題について書く「雑ブログ」を練習用として運営スタートしました。しかし、時間が経つにつれ、記事は増えるものの、訪れる人は増えず、アクセス数は停滞するか減少する一方でした。
様々なジャンルの記事を書いていたので、せっかくブログに来ても他のページを見ずに帰る人が多かったのも原因の一つです。別の言い方をすると、関連する記事が少なすぎて、2ページ目が読まれにくいことです。
それに対し、特化ブログでは、記事数はそれほど多くなくても、訪問者数はゆっくりとですが確実に増えていきました。同じ努力をしても、結果の出る速さと量が全く違うのです。この違いは、検索エンジンやSNSからの流入に大きく関わっています。
特化ブログの方が、はるかに多くの人に見つけられやすいのです。また特化ブログで書いている記事は、悩みを持ったターゲットを意識し、解決できず困っている人が読んで解決に至るところまでをイメージしやすいので、品質の良い記事を時間かけて書けていました。
この経験から学んだのは、記事の質ももちろん大切なのですが、そのブログがどれだけ明確なテーマに焦点を当てているかが重要だということです。
わたしは、雑ブログを運営しながらも、徐々にジャンルをある程度絞り、記事のリストラを行うことで、アクセス数に少しずつですが改善が見られました。さらに、ブログのテーマに合っていない記事は、別のブログへ移行し、それぞれのブログでの効果を確認しています。
既に雑ブログを運営してしまっている場合
多くの時間と労力をかけてきた雑ブログ。例えば”100”を超える記事数があるにも関わらず、思うようにアクセス数が増えない。そんな状況に直面している方も多いでしょう。しかし、大切なのは、ここからどう前進するかです。
方法としては、3つ考えられます。
- 記事のジャンルをある程度絞る
- ジャンルごとに、複数のブログに分散する
- 既存の雑記事を特定テーマにリライトしていく
雑ブログとして続ける場合は、正直アクセスを伸ばすのは難しいです。ジャンル数も10以上あったり、関連性の無い記事ばかりのブログは、推奨しません。
方法1:記事のジャンルをある程度絞る
このまま雑ブログとして続けつつ「準雑ブログ」として転身する方法です。
準雑ブログ:多くのジャンルを扱う雑ブログと、特定テーマに絞った特化ブログの中間に位置し、扱うジャンルは3~4に絞ったブログのことです。絞ったジャンルは、出来る限り近いジャンルを扱うと良いです。
例えば関連性のある2つのジャンルを扱うとします。1つ目のジャンル「旅行に関する予約サイト比較やレビュー」、2つ目のジャンル「旅行記」。旅行関連のサイトのレビューを書きつつ、自身が各地を旅行した記録を記事にするブログです。
逆に悪い例とすれば「旅館の予約サイト比較」と「生活雑貨レビュー」の組み合わせです。関連性が非常に低いです。
まずは、多くても4ジャンル程度に絞った方が良いです。絞れれば3つ、2つがベストです。どのジャンルにも入らない記事は、削除せず非公開にしておき、別のブログ用として残しておきます。
どのジャンルにも入らない記事でアクセス数の少ない記事は、取り急ぎ非公開設定にしてしまっても良いです。ノンジャンルのアクセスが少ない記事は、検索エンジンからも評価が低いです。ブログに評価の低い記事がたくさんあると、ブログそのものの評価も落ちてしまいます。
ある程度ジャンルを絞れることができれば、準雑ブログができあがります。
方法2:ジャンルごとに、複数のブログに分散する
現在運営しているブログに、複数のジャンルのカテゴリがあれば、1カテゴリごと別の新しいブログへそのまま移転する方法です。
雑ブログを運営していると、カテゴリごとにアクセス数は異なってくるはずです。人気の1軍カテゴリがあれば、そこそこの2軍3軍カテゴリもあるはずです。
1軍カテゴリはそのまま残しつつ、2軍3軍のカテゴリをごっそり移動する作戦です。メインブログから1部を切り離した「特化型の小ブログ」を作成します。
移転するブログとして、2つ候補をあげます。
- サブドメインを作って移動
- 外部ブログサービスへ移動
レンタルサーバで独自ドメインを使っているならば、簡単にサブドメインを作ることができます。サーバ管理のコントロールパネルから簡単操作できます。頻繁に更新を必要としないカテゴリならば、サブドメインで作って様子を見るのも1つの手です。
移動する記事が30以上ある場合は、サブドメインのブログへ移動が良いでしょう。記事の移転用の無料のプラグインもありますし、比較的短時間で済みます。Wordpressのブログで運営していれば、同じテーマを利用することで、新しく覚えなきゃいけない操作がありません。
もう1つは「外部ブログサービス」へ移動です。ブログと相性が良いのは以下のサービスです。
- Hatenaブックマーク
- Note
- amebaブログ
これらのブログは無料で利用できます。独自ドメインでの運営と比較すると、他の方の目に留まりやすく、「特化型の小ブログ」としては再スタートしやすいです。記事を移転する時に、新着記事の一覧に掲載されるので、記事の内容によっては幸先の良いスタートダッシュができます。
Noteは、テキストベースのコンテンツを中心に展開するのに適しており、有料コンテンツも販売できます。ブログを移転させるタイミングで、記事のリメイクを平行して実施し、深堀させた記事を有料コンテンツとして販売するのも良いです。
移動する記事が「料理レシピ」や「旅行記」などで、写真がメインの記事は、Instagramの方がメリットがあります。ブログ記事から、写真コンテンツとして移動します。写真投稿のさいに#タグをつけておくことで、より興味のある方に届くようになります。ブログではあまり見られなかった写真記事がInstagramで復活します。
ブログ記事では伝わりにくいが、動画にすると効果のあるジャンルの記事は、動画コンテンツとして作り直して、YoutubeやTikTokに載せたほうが集客しやすいです。例えば、DIYや料理ネタの記事は、文章より動画の方が、伝わりやすいです。
方法3:既存の雑記事を特定テーマにリライトしていく
雑ブログのテーマを、何か1つ設けてその特化ブログとします。既存の雑記事は、決めた特化テーマのジャンルに沿った記事へリメイクしていきます。
例えば、現在運営中の雑ブログを「ビジネス系特化ブログ」にするならば、仕事で役立つ記事へとリライトしていきます。
元々がノンジャンルなブログなので、全ての記事を特定のテーマに沿った記事へリメイクすることは難しいはずです。記事のURLを変更させず、現在受けている記事への被リンクやブックマークがそのまま残るので、移転によるアクセス喪失がありません。
特定のジャンルの記事へ変身させることで、評価が上がりアクセスが伸びることもあります。逆に無理やりリライトすることで、何を言いたいのかわからない「謎記事」ができあがってしまうこともあるので、注意が必要です。
まだブログを始めてない方は、「特化ブログで!」
これからブログを始めるなら、特化ブログがおすすめです。
特定のテーマに焦点を当てることで、ターゲットを絞りやすくなり、読者が求める情報をマッチさせやすくなり、読者とのつながりを深めやすくなります。
特化ブログでは、専門性を示すことができるため、読者だけでなく、検索エンジンからも好まれます。これにより、特定の分野での権威として認識され、信頼を築くことができるのです。
特化ブログを運営することにより、読者はブログを定期的に訪れ、新しい情報を求めるようになります。また、特化ブログは企業からの提携の機会も増えます。特定の製品やサービスについてのレビューを求められることもあり、これが収益化への道を開くこともあります。
特化ブログを始める前に、前提条件としてそのジャンルに関して知識があることです。興味や知識がなければ、長期的に専門コンテンツを作り続けることは難しくなります。
練習用として、無料ブログサービスを利用して、まずはいくつかのアイデアを試しながら、自分に合ったテーマを見つけるのも一つの方法です。
最初は結果が出ないかもしれませんが、ジャンルを絞っていることで、雑ブログよりは有利です。結果が出るまでは試行錯誤になると思いますが、記事を丁寧に時間をかけて高品質なコンテンツを作成するよう心掛けてください。
さいごに
さいごにブログを立ち上げる時に、「誰に向けたブログなのか」ということを考えてみて下さい。特化ブログではイメージしやすいと思います。旅行記のブログなら、旅行に行きたい人に向けたブログになります。
雑ブログでは、誰をターゲットにするのかあやふやになってしまいます。これが雑ブログの最大のネックです。